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上昇トレンドのビットコイン 半減期とETF承認でさらなる飛躍!?

2024.6.10

 先月31日、暗号資産交換業を営むDMMビットコインで顧客のビットコイン482億円が不正に流出しました。DMM.comグループは増資などで流出した顧客のビットコインを全額保証する方針とのことですが、資産管理が難しい暗号資産の現状が改めて浮き彫りとなりました。 

 

 今回は話題のビットコインを中心に暗号資産について取り上げてみたいと思います。

 

 

 昨年末から上昇トレンドのビットコインは3月に7万3000ドル台の最高値を突破した後、高値圏で推移。23年末に比べると62%高の水準です。この上昇トレンドの背景には2つの要因が関係しています。

 

 一つは1月の米国市場でビットコインETFが承認されたことによる機関投資家のマネーの流入です。ETFとは上場投資信託と呼ばれる、株式同様に証券口座を通じて手軽に売買できる資産クラスのひとつです。ビットコインETFの承認により年金基金やヘッジファンドなどの機関投資家は、リスク性資産の一部としてビットコインをポートフォリオに組み入れることができるようになりました。現在計11本あるビットコインの現物ETFの運用資産残高は足元で600億ドル(約9兆円)にも上ります。先月23日にはビットコインの次に資産規模の大きいイーサリアムのETF申請も承認され、暗号資産市場へのさらなる資金流入が期待されます。日本ではまだ暗号資産のETFは売買できませんが、解禁すべきとの声も出始めています。

 

 

 上昇トレンドの背景にあるもう一つは、4月にビットコインの新規発行量が半分になる4年に1度の「半減期」を迎えたことにあります。これにより流通するビットコインの量が調整され、需給が引き締まるとの思惑が強まっています。過去、ビットコインは半減期を迎えるたびに価格が大幅に上昇しており、それまでの価格では買えなくなるという状況が繰り返し発生しています。

 

 これまでビットコインは強気相場と弱気相場を繰り返しながら、徐々に市民権を獲得してきました。支持者の増加は長期保有者が増えることにつながり、対して売る人は少なくなってきています。4月に迎えた「半減期」により供給はこれまでの半分になった一方で、ETFの承認はビットコインの需要を指数関数的に増加させます。上昇サイクルはまだ始まったばかりと言えるかもしれません。ボラティリティ(価格変動)が激しく投機的な要素が多分にある資産クラスではありますが、資産の5%程度の少額を保有するのも面白いかもしれませんね。

 

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