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今年から新NISAがスタート 結局、何を買えば良いの?
今年から新NISAがスタートしました。旧NISAでは「つみたてNISA」と「一般NISA」、どちらか一方しか選べなかった投資枠ですが、新NISAでは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という2つの投資枠どちらも同じ口座内で併用できるようになります。
「つみたて投資枠」で投資できるのは、金融庁の条件に合う株式投資信託272本とETF8本の計280本(2023年12月28日現在)。「成長投資枠」では、「つみたて投資枠」では買えない投信や日本、米国などの個別株、東証や海外に上場するETFなども買えます。今回の記事では、昨年ご質問いただくことが多かった「で、結局NISAで何を買ったらいいの?」について、「つみたて投資枠」の中から買うことのできる投信を例に回答したいと思います。
つみたて投資枠で投資できる投信の大半は、日本を代表する株価指数「TOPIX(東証株価指)」、「日経平均株価」や米国を代表する株価指数「S&P500」、「全世界や先進国、新興国の株式の指数に連動するインデックス型投信。前述の「何を買ったら良いの?」というご質問に対しては、「基本的には右肩上がりの成長が続く米国株や世界中の株に丸ごと投資するインデックス型投信をコツコツ買うのが良い」というのが回答です。
旧つみたてNISAでは米国の「S&P500」がダントツの人気でした。中でも、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は純資産総額3兆円に迫る勢いで、日本の公募投信でナンバーワンの規模を誇ります。2023年は「さすが米国株!」という勢いを見せましたが、ここ10年間、世界最強だった米国株の勢いに多少の陰りが見えるのも確かです。
米国株100%の投信の次に人気なのが全世界株式です。その代表格「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」で純資産総額は1.8兆円を超えます。「全世界株式かS&P500か」という論争は根強いですが、現在の全世界株式投信における米国株の組み入れ比率は約60%です。米国株式、全世界株式と並んで人気なのは先進国株式ですが、こちらの米国株比率は約70%。要は米国株を自身の運用の中にどのくらい組み入れるかというグラデーションの差に過ぎません。
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の国別比率は米国60.6%。続いて日本5.5%、イギリス3.8%。また比率はずっとこのままではありません。今後、米国株が失速するようなことがあれば、他の勢いのある国や地域の比率が高まっていくことになります。
ちなみに直近5年間の上昇率をeMAXIS Slimシリーズで比較すると、米国株式(S&P500)は163.04%、先進国株式インデックスは143.52%、全世界株式(オール・カントリー)は125.84%という結果です。今後も米国一強と考えるのであれば米国株式(S&P500)を、将来の不確実性にも備えたいのであれば全世界株式(オール・カントリー)、または先進国インデックスを選ぶのが良いのではないでしょうか。