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奇跡の歯医者

「痛くなってから行く」歯医者から「健康を維持するために行く」歯医者へ。本書は、香川県高松市の「しん治歯科医院」が30年かけて築き上げた革新的な医院経営の物語です。著者の高橋伸治氏は、従来の治療中心から予防中心への転換を図り、年間14,000人もの患者が通う予防歯科専門医院を実現しました。
本書で紹介される「三つの奇跡」から学べるのは、患者との信頼関係構築とスタッフの定着率向上という、多くの開業医が抱える課題の解決法です。治療中心から予防中心への転換により「嫌われない」どころか患者から愛される医院となり、治療の必要がない健康な患者が「何度も通いたくなる」状況を作り出し、「スタッフがみんな笑顔」で働く環境を実現しています。
しん治歯科の特徴は、形式的な社是や理念の唱和を行わず、「健康な人が訪れる歯科医院」というシンプルな目標だけを掲げていることです。スタッフ一人ひとりの考え方や働き方、スタイルを尊重し、形式よりも実質を重視する姿勢が、98.7%という驚異的な患者リピート率につながっているのかもしれません。
本書は患者やスタッフとのエピソードを中心とした構成で、日常の中の温かい出来事を通じて著者の考え方が伝わってきます。読み進めるうちに自然と「なるほど、だからこんな医院になるのか」と納得させられ、患者との関係性や職場環境について考えるきっかけを与えてくれます。