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なぜ今、米国債券なのか?─構造的円安と高金利のチャンス

債券投資の基本と魅力

 債券は、利息収入(インカムゲイン)と価格の値上がり(キャピタルゲイン)の両方が期待できる資産クラスです。中でも注目したいのは「金利が高いうちに、長期で固定される」点。債券は一度購入すれば、満期まで固定された利率が適用されるため、将来的に金利が下がった場合でも影響を受けません。むしろ金利低下局面では、市場価格が上昇することで、キャピタルゲインも狙えるという仕組みです。これは債券の「金利が下がれば価格が上がる」という性質によるもので、たとえば利回り5%の債券が市場金利3%の環境下で売買されると、より高利回りを得られる債券として評価が上がり、価格が上昇するのです。

 

 株式のように企業業績や市場のニュースに一喜一憂する必要がないのも債券の魅力です。とくに資産の安定性を重視する局面では、債券のもたらす確実性が心強い存在になります。

 

 

為替と債券:円安を味方につける

 

 ここ数年、日本と米国の金利差が広がり、円安基調が継続しています。エネルギー・食料といった輸入品価格の上昇を通じて私たちの生活にも影響が出ていますが、逆に言えば、外貨建て資産を保有していれば為替差益という形でその流れを味方につけることができます。

 

 たとえば、米ドル建ての債券を円で購入し、為替水準が円安に振れた状態で償還・換金すれば、債券の利回りに加えて為替差益も得られる可能性があります。構造的な円安局面が続くとすれば、この効果は資産全体にとっても無視できない要素となるでしょう。

 

今選ばれている債券戦略

 

 また、米ドル建て債券への直接投資にハードルを感じる方には、生命保険会社が保有する米国債券を運用原資とした一時払の終身保険などを活用することも、実質的に債券に投資する手段として有効です。保険という仕組みの中で、長期安定した運用成果を取り込みながら、相続・資金移転の観点からもメリットがある商品設計となっています。

 

株式と比べて今なぜ債券か?

 

 2023年〜2024年にかけて株式市場は堅調な推移を見せましたが、その背景には一時的なマクロ環境や政策期待も多分に含まれていました。現在は、企業の利益成長にやや陰りが見え始め、株価もやや割高感が意識される水準にあります。

 

そうした中、将来のリターンを冷静に見積もると、安定した利回りが確保でき、価格上昇余地もある債券のほうが、より「計算の立つ」選択肢になっているのです。

 

 

まとめ

 

 長期固定の高利回り、金利低下による価格上昇の可能性、そして円安による為替益──こうした3つの要素を兼ね備えた債券は、今こそ再評価されるべき資産クラスです。株式や不動産に偏りがちなポートフォリオを見直す良い機会として、債券投資を前向きに捉えてみてはいかがでしょうか。

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