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限りある時間の使い方

オリバー・バークマン著 かんき出版

 ─80歳くらいまで生きるとして、あなたの人生は、たった4000週間─。タイトルからタイムマネジメントの指南書かと思いますが、数ページ読めば、そうではないことがすぐわかります。

 

“1日に詰め込めるタスクの量を増やしたからといって、すべてをコントロールできる感覚なんか得られないし、重要なことを全部やるだけの時間も生まれない。”

 

 本書を読んで手に入るのはライフハック術ではなく、人生との向き合い方を再考するためのきっかけです。

 

“やるべきことはいつだって多すぎるし、これから先もそれはきっと変わらない。そのなかで心の自由を得るための唯一の道は、「全部できる」という幻想を手放して、一握りの重要なことだけに集中することだ。”

 

 「タスクを管理し、人生を計画通りにコントロールしたい」という希望を捨て、むしろ不安を抱えることで本当の人生が始まる。「考えるな。感じろ!」と言ったのはブルース・リーですが、その極意についてわかったような気にさせてくれる、そんな読書体験でした。

 

“そう、世界はすでに壊れている。そしてあなたの人生も同じだ。望んでいた完璧さや安心なんて、最初からどこにもなかったのだ。あなたの4000週間は、不完全なまま、いつだってすでに尽きかけている。この不愉快な現実は、しかし、自由への一歩だ。”

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